2026年度(令和8年度)調剤報酬改定|物価高騰や賃上げへの対応、そして「対物から対人へ」というこれまでの流れをさらに加速させる、非常に大きな転換点となります。

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【2026年度 調剤報酬改定】薬局経営の大きな転換点。賃上げ対応と業務効率化の重要ポイント解説

2026年4月の調剤報酬改定は、医療従事者の処遇改善や物価高騰への対応を柱としつつ、薬局の存在意義が「場所(門前)」から「機能(地域支援・対人業務)」へ完全にシフトしたことを象徴する内容となりました。

今回の改定で押さえておくべき主要ポイントを整理します。

1. 賃上げ・物価高騰への直接的な評価

今回の改定の目玉は、急激な社会情勢の変化に対応するための評価新設です。

  • 「調剤ベースアップ評価料」の新設: 薬剤師や事務職員の賃上げを目的として、処方箋受付1回につき4点が新設されました。これはスタッフの処遇改善に直結させるための「目的別」の評価です。
  • 調剤基本料の引き上げ: 基本的な運営コスト増を考慮し、調剤基本料1(45点→47点)など、各区分で2点程度のベースアップが行われました。
  • 「調剤物価対応料」の新設: 光熱費等の高騰を補完するため、3ヶ月に1回、1点という微増ながら新たな枠組みが作られました。

2. 「調剤管理料」の抜本的見直し(対物業務の簡素化)

これまで投薬日数に応じて細かく4区分に分かれていた調剤管理料が、劇的にシンプル化されました。

  • 2区分への統合: 「27日分以下(10点)」と「28日分以上(60点)」の2種類のみとなります。
  • 影響: 14日分や21日分の処方での点数が大幅に下がる一方、長期処方の評価は維持されます。これにより、単純な日数計算という「対物業務」の評価を抑え、より高度な薬学的管理(対人業務)への移行を促す狙いがあります。なお、調剤管理加算(3点)は廃止されました。

3. かかりつけ機能と在宅医療の実績重視

「体制」を整えるだけでなく、「実際にどれだけ動いたか」という実績がより厳しく問われるようになります。

  • かかりつけ薬剤師指導料の統合: 服薬管理指導料の中に統合され、より実務に即した評価体系へ再編されました。
  • 地域支援体制加算の厳格化: 調剤基本料1を算定する薬局への優遇措置が縮小され、後発品の使用割合85%以上が必須となります。

4. 医療DXの推進とバイオ後続品への対応

  • 医療DX: 電子処方箋の導入やマイナ保険証の利用率が、今後の加算維持の鍵となります。
  • バイオ後続品: 「バイオ後続品調剤体制加算」が新設され、従来のジェネリック医薬品に加えてバイオシミラーの普及も薬局の重要なミッションとなりました。

まとめ:2026年、薬局に求められる「変化」

今回の改定は、単なる点数の付け替えではありません。「効率的な対物業務(DX活用)」と「質の高い対人業務(実績評価)」の両立ができない薬局は、経営的に厳しい局面を迎えることになります。

特に28日以上の長期処方への対応や、賃上げを通じた人材の確保が、今後の生き残りの鍵を握ると言えるでしょう。

※ 実際の点数や細かな算定要件については、厚生労働省から順次発表される「通知」や「事務連絡(疑義解釈)」を必ずご確認ください。

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